【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「そうか?」

「そうだよ。行列とか嫌いそうなのに」

 でも並んで買ってくれたことが嬉しくて、思わず笑ってしまった。

「何笑ってんだよ」

「ううん、別に」

 美味しいシュークリームを食べて満足した私に、カナトはある話をしてきた。

「あのさ、姉ちゃんに相談があるんだけど」

「え、私に相談?」

 なんだろう?カナトの相談って?

「俺さ、告られてさ。会社の後輩に」

「えっ? 告白されたの?」

「ああ。付き合ってほしいって言われた」

 もしや、カナトにもモテ期が……?

「いいじゃない。付き合ってみれば?」

「でも俺、そいつのこと今まで異性として見たことなくてさ……。なんか変な感じがするんだよな」

 私がお茶を飲みながら「付き合ってみたら、何か変わるかもしれないじゃん」と言ったら、カナトは「そうか……?」と不思議そうな顔をする。

「そうだよ。私たちだって、そうだよ? 最初は好き同士じゃなかったし……。一緒にいるうちに、お互いのことを好きになってた訳だし。今そうじゃなくても、きっと好きになれると思うけどな」

 これは私の意見だから、カナトには響かないかもだけど。

「……そういうものなのか?」

「そうだよ」
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