【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「さっき帰った所だよ」
「そっか。じゃあ食べようかな、シュークリーム」
レイヤは冷蔵庫からシュークリームを取り出して、嬉しそうに微笑んでいる。
「美味かった?」
「うん、美味しかったよ」
「いただきます」
レイヤもシュークリームがよほど美味しかったのか、「美味いなこれ」と笑っていた。
「ね、美味しいよね。 何でもカナトの会社の近くにオープンした、シュークリーム専門店のシュークリームなんだって」
「へぇ。そうなのか」
美味しいシュークリームを食べて満足したのか、レイヤは洗濯物を畳むのを手伝ってくれた。
「あ、ありがとう」
「部屋にしまって来るな」
「うん」
この子がお腹が動く度に、私はその奇跡を噛み締めている。
この子が生きているという実感がして、とても嬉しくなるんだ。
「赤ちゃん、早く会いたいね」
ママは、早くあなたに会いたいよ。パパも、あなたに早く会いたくて仕方ないんだよ。
そのくらい、私たちは今幸せなんだよ。って語りかけていると、レイヤが戻ってきて「何を語りかけてるんだ?」と言ってくる。
「え?語りかけてた?」
「語りかけてただろ?今」
「早く会いたいねって話、してたの」