【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「さっき帰った所だよ」

「そっか。じゃあ食べようかな、シュークリーム」

 レイヤは冷蔵庫からシュークリームを取り出して、嬉しそうに微笑んでいる。

「美味かった?」

「うん、美味しかったよ」

「いただきます」

 レイヤもシュークリームがよほど美味しかったのか、「美味いなこれ」と笑っていた。

「ね、美味しいよね。 何でもカナトの会社の近くにオープンした、シュークリーム専門店のシュークリームなんだって」

「へぇ。そうなのか」
 
 美味しいシュークリームを食べて満足したのか、レイヤは洗濯物を畳むのを手伝ってくれた。

「あ、ありがとう」

「部屋にしまって来るな」

「うん」

 この子がお腹が動く度に、私はその奇跡を噛み締めている。
 この子が生きているという実感がして、とても嬉しくなるんだ。

「赤ちゃん、早く会いたいね」

 ママは、早くあなたに会いたいよ。パパも、あなたに早く会いたくて仕方ないんだよ。
 そのくらい、私たちは今幸せなんだよ。って語りかけていると、レイヤが戻ってきて「何を語りかけてるんだ?」と言ってくる。

「え?語りかけてた?」

「語りかけてただろ?今」

「早く会いたいねって話、してたの」
< 132 / 134 >

この作品をシェア

pagetop