【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 私がそう言うと、レイヤは「そっか。そんな話してたのか」と微笑んでいる。

「うん。話したそうにしてたの」

「それはアユリだろ?」

 でもきっと、レイヤも同じ気持ちだと思う。親になるって、すごいことなんだなって思う。

「この子ね、よく動くんだよ。毎日蹴ってるの」

「そっか。元気なんだな」

「うん。 誰かと家族になるってさ……本当にすごいことだよね」

 レイヤは私の肩を抱き寄せ、「そうだな。これは奇跡だな」と微笑む。

「今思うとさ、人生って奇跡の連続だよね」

「ん?」

 私はレイヤの手を握ると、「だって……レイヤと出会えたことも奇跡だし、こうして子供が出来たことも奇跡じゃない? それに……レイヤとこうやって幸せに暮らしていけるのも、奇跡だと思うんだ」と話した。

「……確かに。それもこれも、全部奇跡だな」

「うん」

 私たちはこの先、ずっと幸せに生きていける。

「レイヤは子供が産まれたら、何がしたい?」

「そうだな……。色々としたいことはあるけど、毎日幸せに暮らせたらそれでいいかな」

「……私も」

 私たちは、愛おしいと思える存在に出会えた。全部を愛おしいと思える、そんな人に。
 私たちの未来は、これからもずっとそばで続いていく。
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