【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
レイヤはそれを気に入ってくれたのか、「じゃあアユリの選んでくれたこのコーデ、買おうかな」と喜んだ表情を見せる。
「うん、じゃあ……これにしよう」
「分かった。会計してくる」
レイヤは会計をするため、商品を手にレジへと向かう。
「まさか、ほんとに買うなんて……」
レイヤは優しいんだと思う。私にはすごく優しい。
「お待たせ、アユリ」
「うん」
会計を終えたレイヤは、再び紙袋を手に私の元へと戻ってくる。
「今度これを着て、出かけることにするよ」
レイヤは嬉しそうに、そう口にする。
「……ありがとう」
「俺の方こそ、ありがとう。大事に着るから」
レイヤにそう言ってもらえると、私も選んでよかったと思える。
「私も、大事に着るね」
「ああ」
レイヤからの服のプレゼントは、素直に嬉しい。私も大事にしないと……。
「アユリ、雑貨屋見るか?」
「雑貨屋さん?」
レイヤは目線に入る雑貨屋さんを指差す。
「アユリ、雑貨とか好きだろ?」
「あ、うん……」
私が頷くと、レイヤは「さ、行こう、アユリ」と私の手を握ってくる。
その時私は、レイヤと私はちゃんと夫婦なんだなって思った。