【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「可愛いの買えて良かったな」

「うん」

「アユリ、今何時だ?」

 レイヤに時間を聞かれ、私は「今13時だよ」と答える。

「そろそろお昼ご飯食べる?」

「そうだな。 フードコートにでも行ってみるか」

「うん」

 一旦お昼ご飯を食べるために、フードコートへと向かって歩く。
 休日ということもあり、館内にはすれ違う家族連れやカップルも多くいた。みんな幸せそうに笑っている。

「さっきの子供、可愛いかったね」

 と私が呟くと、レイヤは「だよな。子供は可愛いよな」と言葉を返す。

「うん、幸せそうだね」

 そう言った私に、レイヤは「俺はアユリと一緒にいられて、幸せだけど」と言った。

「……え?」

「だからアユリのこと、大事にしたいと思ってるよ、これからも」

 ……レイヤはずるい。なんでそんなこと言うの?

「……ありがとう、レイヤ」

 レイヤには想い人がいるということを、私は知っている。
 その想い人が誰なのかなんて、分からない。でも私は、レイヤと一緒にいる限りレイヤのことをずっと想ってる。
 これが愛なんだって、思ってる。

「アユリは、この先もずっと俺の妻だから」

 この先も、ずっと……?
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