【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「相変わらず美味いな」

「ありがとう」

 レイヤは美味しそうにかぼちゃのグラタンを食べていく。

「マジで美味い」

「良かった。 スープおかわりあるよ」

「ああ」

 かぼちゃのグラタンを作ると、レイヤはいつも笑顔を見せてくれるから、私も嬉しくなる。

「うん、美味しいね」

「アユリは料理上手だな、本当に」

「ありがとう」

 レイヤと結婚してから、寂しさは減った気がする。両親はホテルを経営していて、仕事で忙しくて小さい頃は寂しいことばかりだったから。
 両親が私をレイヤと結婚させたのも、寂しさを埋めるだったのではないか、私は今でもそう思っている。

 仕事で忙しい両親は、私を寂しくさせないように犬を飼ってくれていた。犬が遊び相手だったけど、犬が亡くなってからは遊び相手もいなくなった。
 だから寂しさは消えなかった。 両親にはいつも気を遣って「寂しくない」と、強がっていたけれど……。
 本当はすごく寂しかったんだと思う。自分でも、そう思っていたんだと思う。

 だからレイヤと結婚して二人暮らしになってからは、寂しさも和らいだのは確かだ。
 レイヤが毎日一緒にいてくれて、毎日が楽しいなと思えたから。
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