【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「ねぇ、レイヤ。背中、流してあげようか?」
シャワーのノズルを止めてレイヤに身体を向けると、レイヤは「流してくれるのか?」と聞き返して来る。
「うん、まあ……」
「じゃあ、頼んでもいいか?」
「うん」
ボディータオルにボディーシャンプーを数回出して泡立て、レイヤの身体にボディータオルを撫でるように滑らせていく。
「力加減どう?」
「いい感じ」
レイヤの身体を洗う時は、なぜかいつも緊張する。ドキドキして、手が震えそうになる。
「アユリは優しく洗ってくれるな、いつも」
「え、そうかな?」
いつも通りに洗ってるだけなんだけど。
「ん、気持ちいいよ」
「……ありがとう」
気持ちいいと言われると、やっぱり嬉しいものなんだな。
「後は俺が洗うから」
ボディータオルをレイヤに渡すと、レイヤは今度私の身体をぐっと引き寄せる。
「えっ……?!」
驚いた私に、レイヤは「お礼に、俺もアユリの背中を洗ってやるよ」と耳元で囁く。
「えっ。い、いいっ!」
と拒否したが、レイヤに抱きしめられているせいで身動きが出来ない。
「遠慮するな」
「遠慮なんてしてないっ」
なんか……恥ずかしい!