【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「あっ、ちょっと、レイヤ……くすぐったいっ」

 洗ってくれるんじゃなかったの……!?

「動くな。洗えないだろ?」

「だって、くすぐったい……だもん」

 レイヤのボディータオルを持つ手が、私の胸に伸びてくる。

「可愛いな、アユリは」

「可愛くなんて……っ」

 レイヤに触れられるだけで、ドキドキする。

「可愛いよ。……すごくね」

 耳たぶを甘噛みされて甘い声が漏れると、レイヤはゆっくりと唇を重ねてくる。

「ん……レイ、ヤッ……」

 身体に纏わり付く泡だらけの身体でも、レイヤの温もりがちゃんと伝わってくるのが分かる。
 それは不思議なくらい、温かい温もりだ。

「本当に可愛いな、アユリは……」

 レイヤの私の身体をシャワーを洗い流すと、そのまま湯船に浸からせる。

「えっ……?」

「アユリ、お楽しみはここからだ」

 レイヤと一緒に湯船に浸かると、レイヤは私をそっと後ろから抱きしめてくる。

「アユリ……好きだよ」

「レイヤ……」

 レイヤから「好きだよ」と言われることは、何度もあるけど、その度に胸が苦しくなるのはなぜなのだろう……。
 やっぱり……レイヤの想い人のせいなんだろうか。
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