【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「レイヤ……っ」

「アユリ……」

 身体を重ねながら、私はレイヤの身体にしがみついては、レイヤの肌の温もりを身体中に感じていた。
 愛おしいこの温もりを、全身に行き渡らせるように、レイヤは熱く情熱的に私の身体の全部を支配するように奪った。

 だから私は、レイヤの温もりが忘れられない。 だから私は、レイヤのそばから離れられない。
 この温もりがなくなってしまったら……。そう考えるだけで、鳥肌が立つくらいゾッとして怖くなるんだ。
 
 隣で寝息を立てて眠るレイヤのそばで、私はレイヤの頬を撫でながら、レイヤの寝顔を見つめていた。
 愛おしいこの温もりを、決して失くしたくない。その思いばかりが強くなって、私はレイヤのことがとことん愛おしいんだと、実感させられた。

「レイヤ……」
 
 お願いだから……私だけを見て。私だけを愛して。
 そんな私の願いなんて、きっとレイヤにとっては小さいことで。……でも私にとってそれは、とても大きなことだから。

 あなただけを愛すると、私はあなたと結婚した時から決めていた。だから私は、ずっレイヤのことを愛し続けたいと、そう思っている。
 でも今は……レイヤの想い人のことが頭から離れない。
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