【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 それだけでも充分幸せなはずなのに、私はどこかこの幸せに満足出来ないでいる。
 それはきっと、レイヤの知らないことを知れていないからだ。
 私はその知らないことを、知る日は来るのだろうか……。

「あ……」

 レイヤにさっきのこと、連絡しなくちゃ……。

 スマホを再び手に取り、レイヤにメールを送る。

【ママから電話で、パウンドケーキ焼いたから食べに来ないかだって。どうする?】

 メールを送ってすぐ、既読は付いた。

【そっか。じゃあせっかくだから、行こうか】

【分かった。伝えておくね】

【おう。なるべく早く帰るから】

 レイヤからのメールに【うん】と一言だけ返して、スマホをポケットに仕舞い込む。

「さてと……」

 部屋の掃除をするため、私は掃除機を手に取り電源をオンにする。
 リビングの掃除と寝室の掃除を終え、一息付くためにキッチンでお茶を淹れる。

「はあ……」

 最近ずっとレイヤのことばかり考えているせいか、なんだか疲れる気がする。
 これは何なんだろう。 なんでこんなに疲れるんだろう。

「……私はいつまで、レイヤのことで悩めばいいんだろう」

 もう、どうしたらいいか分からない。
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