【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「心配しなくても、大丈夫だよ。 ちゃんと、やってるから」
ママにはあまり心配させたくないと思いつつ、申し訳ない気持ちになる。
「レイヤくんと仲良くしなさいね、ずっと。 いずれあなた達にも、子供が出来るだろうから」
ママのその゙子供゙という言葉に、思わず肩が震えた。
「……そう、かもね」
子供か……。レイヤは私との子供を、望んでくれるだろうか。
子供が欲しいと、望んでくれるだろうか。
夫婦になって二年が経つけど、私たちにまだ子供は出来ていない。
子供を作る行為はしているけど、それは実際に言うと子作りではなくて、ただのセックスだ。
お互いに愛を確かめ合うためだけの行為で、子供を作ろうとか……そういうのじゃない。
レイヤからも、子供が欲しいと言われたことはない。 レイヤは時々、私とは家族だからと言うけど、それも本当にそうなのか分からない。
レイヤの気持ちは、レイヤにしか分からないから。
「アユリ、子供が出来たら、すぐに報告しなさいよ?」
ママの言葉に、私は「分かってる」と一言だけ言葉を返す。
もし私に子供が出来たら、レイヤは喜んでくれるのかな……なんて考えていると、ママが「アユリ?」と顔をのぞき込んでくる。