【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
レイヤの言う通りだ。確かに私たちは、夫婦だ。
でも本当の夫婦って……なんだろう。何が本当の夫婦だって言えるんだろう。
夫婦って、分からない。私には難しい難問だ。
「……夫婦って、何なんだろうね」
ふと呟いた私の言葉に、レイヤは「え?」と困惑した表情を見せる。
「ううん、何でもない」
レイヤのことが大好きな気持ちは変わらないからこそ、そのまま……大好きな気持ちのままいたい。
「アユリ……?」
「何でもない。 ほら、早く帰ろう」
レイヤの手を引っ張ったその瞬間……。
「え……?」
レイヤを私をぎゅっと抱き寄せてきた。
「レイヤ……?」
どうしたんだろう?と思っていると、レイヤは私に「アユリ、ごめん」と謝ってきた。
「え? なんで謝るの……?」
「アユリ、寂しかったんだろ?俺も最近、仕事で忙しかったから、アユリと話す機会もちょっと減ってたし……。だから最近、不安そうな顔してたんだろ?」
レイヤのその言葉に、私は「……違うよ。レイヤは悪くないよ?」と言葉を返したけど、レイヤに私の心が見透かされているような気がして、その後は何にも言えなかった。
「これからは、もっとアユリのこと大切にする」