【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「あ、おはよう……」

 レイヤは私に「俺もコーヒーもらっていい?」と聞いてくる。

「あ、うん。ちょっと待ってて」
 
 マグカップを食器棚から取り出して、マグカップにコーヒーを注いでいる私を見て、レイヤは「アユリ、今日は一段と可愛いな」と微笑みかけてくる。

「え? ど、どうしたの?急に」

 急に可愛いとか言われると、ちょっと困惑する。

「そんなに可愛いのは、昨日俺にあんなに抱かれたからか?」

 レイヤはニヤニヤしながら、私にそう聞いてくるから、私は「ちょっと、変なこと言わないでよ!」とレイヤの背中を叩く。

「照れてるアユリも可愛いな」

「ちょっと、朝からからかわないでよ」

 もう、レイヤってば……。そういうとこあるんだよね。

「はい、コーヒー」

 マグカップをレイヤに手渡すと、レイヤは「ん、ありがとう」とマグカップを受け取る。

「ん、アユリの淹れたコーヒーはやっぱり美味いな」

 とレイヤが言うから、私は「普通のコーヒーだよ」とだけ答える。

「俺にとっては特別なんだよ、アユリの淹れたコーヒーは。どんなコーヒーよりも、特別だ」

「……ありがとう」

 お願いだから、そんなに優しい言葉かけないでよ……。
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