【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
その後カナトは、「姉ちゃん、アイツのことあんまり信用しない方がいいんじゃない?」と言ってくる。
「なんでそんなこと言うの、カナト。ひどいよ」
だけどカナトは、「そもそも姉ちゃんはアイツのこと信用しすぎなんだよ。……そんなんじゃ、ほんとに浮気されるぞ」と忠告するように告げた。
「信じてるよ、私。レイヤのこと」
カナトの言うとおりだ。私はただ、そう信じたいだけなのかもしれない。
レイヤの想い人のことがずっと頭から離れないから、頭がおかしくなっているのかもしれない。
そう言い聞かせて、信じたいと願っているだけ。
「え、何?アイツが浮気しても、姉ちゃんは許すつもりなのか?」
「……レイヤは、そんなことしない」
そんな私に呆れたのか、カナトは「呆れた。姉ちゃんって相当バカなんだな。アイツに入れ込みすぎだろ」と言って電話を切ってしまった。
「……そうだよ、私はバカだよ」
カナトの言うとおり。私はバカな女だよ。
レイヤのことが大好きで大好きで、仕方ない女。だからレイヤに想い人がいても、私から離れることはないって、勝手にそう思ってた。
でももし、レイヤがほんとに浮気してるとしたら、その時私は……。