【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
そう聞かれる私は、答えられそうになかった。
「答えてくれ。 誰に何を吹き込まれた?」
私の顔を覗き込んでくるレイヤは、その答えを求めるかのように私に問いかけてくる。
「っ……カナトが、その……」
と答えた所で、レイヤは「カナトに何を言われた?」と答えを再び急かしてくる。
「……っ、カナトが、レイヤが浮気してるんじゃないかって疑ってるの」
これだけは言いたくはなかった。私はレイヤがそんなことしないって思ってたから。
今でもそう信じてるから、言いたくなんてなかった。
「はあ? なんだよ、それ。なんで俺が浮気してることになってんだよ」
呆れたような表情を見せるレイヤに、私は「カナトが……見たって言ったの。レイヤがキレイな女の人と一緒にいて、その人のことを抱きしめてたって……。だから……私が浮気されてるんじゃないかって、心配してて」と答えて、唇を噛みしめる。
「……それで私、レイヤはそんなことするような人じゃないって言ったの。 でもカナトは、レイヤのことをあまり信用しない方がいいって……」
思えばカナトだけは、レイヤとの結婚を反対していた唯一の人物だった。
カナトはレイヤのことを快く思ってなかった。