【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。

「アユリは、俺のことを信用してないってことか？」

「違う！私はレイヤのこと信じてるよ！　だって、私のことこんなに愛してくれてるし……私だってレイヤのこと、愛してるから」

　カナトはずっと、私のことを心配していたのかも。私がいつか傷つくかもしれないってことを、分かっていたのかもしれない。

「カナトが俺のことを嫌う理由は分からなくもない。……でも、アユリだけは俺のことを信じてくれてると思ってた」

「私は信じてるよ！でも……その女の人はレイヤのことが好きなんじゃないかなって、私もそ
う疑ってる気持ちがあるのも、事実だから……」

　レイヤにはきっと、分からない。私のこのモヤモヤした気持ちがどれだけ辛いことなのか。
　黙っておけばいいなんて思ってるなら、それは違うってことを言いたいの。

「アユリ……」

「お願いだから、答えてよ。お願いだから、ホントのこと言って……っ」

　その女の人が想い人だったら、私はもう苦しくなってレイヤのそばにはいられない。

「……確かにアイツに、あの時告白されたのは事実だ」

　……やっぱり、そうなんだ。

「でもちゃんと結婚してること、お前を愛してることを伝えたら、彼女は分かってくれた」