【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
黙り込む私を、レイヤはそっと抱き寄せると、「俺が一番大切なのは、お前だけだよ。これからもずっと、俺が愛してるのはアユリだけだ」と優しく言葉を囁く。
「っ……レイヤ……」
「彼女を抱きしめたのは、その……。仕事のパートナーとして、これからもよろしくってことで、抱きしめて欲しいって言われたから、そうした。……ごめん」
そっか……そうなんだ。そうなんだね……。
「……許してもらえるとは思ってない。そのことを確かに隠していたから」
レイヤは私の涙を優しく拭うと、「でもほんとに、俺にはアユリが一番なんだ。大切にしたいのは、アユリだけなんだ」と、優しく唇に触れてくる。
「っ……お願いだから、もうそんなことしないで……。私、怖いの。レイヤがいなくなるのが、すごく怖いの……」
レイヤのことが大好きで、やっぱりずっと一緒にいたいって思った。
「離すわけがないだろう。アユリは俺の妻なんだから」
「……うん」
でもそれで、その女の人がレイヤの想い人ではないということが、分かってしまった。
想い人は……一体誰? 今それを聞ければ、こんなに苦労しない?
「レイヤ……あのね」
「ん?」
「……ううん、話してくれてありがとう」