【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
■第五章【SIDEレイヤ】
【SIDEレイヤ】



 アユリと結婚してからの日々は、とても充実していた。アユリの作る料理は美味しいし、毎日俺の健康を考えて作ってくれる。
 野菜もたくさん取れるように毎日サラダを出してくれるし、俺の好きなものを用意してくれる。
 アユリは俺にとって、とても大切な人だ。……大切な、大切な妻。

 アユリとはある意味、政略結婚だった。最初はアユリとの結婚することにいい気はしなかった。
 親同士が決めた相手との結婚なんて、上手く行く訳はないと、勝手にそう思っていた。 

 アユリと初めて顔を合わせた日、アユリは俺との食事会にシンプルな白のワンピースを着てきた。 そのワンピースがとても似合いすぎて、アユリにピッタリで、思わず見惚れてしまった記憶がある。
 こんなに純白な白が似合う人がいるのかと思って、アユリの存在そのものに、引き込まれてしまった。

「初めまして、アユリと申します。よろしくお願い致します」

 ミディ丈のワンピースからチラリと見えるキレイで細い足に、視線が向いたことは、今でも忘れない。
 なんてキレイな女性(ひと)なんだ。それだけで、俺の心は踊るようにワクワクした。

「本日は、この様な時間を作ってくださり、ありがとうございます」
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