【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 疑問は湧いたけど、俺も正直嬉しいと思ったから、関係なかった。

「あんまり自分で似合ってるとは思ってなかったんですけど、可愛いな、挑戦してみたいなって思う色だったんです。……でもレイヤさんに褒めてもらったから、この髪色が今日さらに好きになりました」

 嬉しそうにそう話すアユリに、俺はどっぷりとアユリの魅力にハマってしまったみたいだった。
 目が離せないとは、こういうことを言うのだろう。

「そうですか。それは良かった」

 アユリって……純粋ですごく可愛いらしい人なんだ。
 素直で優しくて、微笑んだ時の笑顔が素敵な女性だったんだと気付いて、アユリとなら幸せになれるような予感がしていた。

「ありがとう、レイヤさん。 レイヤさんは優しいから、ずっとそのままでいてほしいです」

 アユリの言葉で俺は、この結婚には意味があると思えた。 親同士が決めたからではなく、この結婚は俺の意思だったと、改めて感じた。
 アユリを幸せにすること、アユリと共に生きていくことに意味があるんだと、思い知った。

「アユリさん。俺があなたを幸せに出来るかは、分からないけど、あなたを幸せにしたいと思っています。 あなたと共に、これから先の人生を歩んでいきたい」
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