【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
そうお願いすると、カナトは冷たい表情を見せながらも「……三分だけだ」と答えた。
「ありがとう。三分でもいいよ」
公園にカナトと連れて行くと、カナトは「……聞きたいことってなんだよ」と俺を見る。
「この際だから、単刀直入に聞く。 カナト、君は……アユリのことが好きなのか?」
「はっ?」
何を言っているんだ、というような顔で俺を見るカナトに、俺は「俺は、君のアユリへの愛はちょっと異常だと思ってる」と伝えた。
「……なに言ってんのか、分からないんだけど」
そりゃあ、普通ならそうだよな。
「君はアユリの弟だけど、本当は……アユリのことが好きなんじゃないのか? 姉としてじゃなくて、一人の女性として、アユリのことが好きなんじゃないのか?」
自分でも何を言っているんだ、と思ってる。でもカナトの態度からしたら、それはおかしいと思ってるんだ。
「……アンタなに言ってんの?頭おかしいな」
でもカナトはその言葉の後、俺を見ようとはしなかった。
その態度がまた、俺には気になった。
「君が俺との結婚を反対したのも、本当は……」
「バカなこと言ってんじゃねぇよ!」
俺の言葉を遮ったカナトは、少しだけ悲しそうな表情を見せている。