【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 私の夫をこんなふうに侮辱するなんて、許せないのに……。

「レイヤは私のこと愛してくれる。私だってずっと……レイヤのこと大好きだよ」

「姉ちゃんは甘いな。アイツがどんな男か知ってるのか?」

 カナトがそんなにレイヤのことを拒否するのは……なぜ?
 二人の間に何かがあるとしか、思えない。

「カナトは、レイヤの何を知ってるの?」

「知ってるよ。 アイツが最低ってことをな」

「え……?」

 それどういう意味……? 最低ってなに?

「姉ちゃん知らないだろ? アイツ、姉ちゃん以外に好きな人がいるんだぞ?」

「………」

 私以外に、好きな人……。そんなの、私だって知ってる。
 彼に想い人がいることくらい、分かっている。

「そんな男と結婚して、姉ちゃん本当に良かったのか?」

「……でも、私は今幸せだよ?」

 カナトはレイヤのことが大嫌い。そのことは分かってる。
 でもそこまでなぜ嫌いなのか、私には分からない。

「姉ちゃんさ、子供作るんだろ?アイツの子供」

「……え?」

「アイツに言われた。二人の子供を作るって、アイツにそう宣言されたよ」

 カナトがなぜこんなことを言うのか、私には分からない。
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