【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。

「姉ちゃん……！」

「カナトは心配しすぎなんだよ。私のことなら、大丈夫。……だから帰って、お願い」

　それでもカナトは、帰るのを拒否した。

「なら、俺がアイツを見張ることにする」

「はっ？」

　かと思えば今度は、レイヤを見張るだなんて言い出して……。
　訳の分からないことを言い出すカナトに、私は困惑したけど、この家に住み着くと頑なに拒否されてしまう。

「アイツが姉ちゃんを泣かせるようなことをしないように、俺がアイツを見張ってやるよ」

　え、ええー……。

「だから、なんでそうなるの？」

「言ってるだろ？俺は姉ちゃんが心配なんだよ。　だから姉ちゃんの傷付く姿を見たくない」

　これってさ……。いわゆる過保護というヤツ？
姉ちゃん姉ちゃんって来てくれるのは、本当に嬉しいと思ってるんだけど……。
　ちょっとこれは……やり過ぎなような気がしている。

「大丈夫だって言ってるのに……」

「アイツは姉ちゃんの夫には相応しくない。所詮姉ちゃんとアイツは政略結婚だろ？　政略結婚なんて上手くいく訳ないんだよ、最初から」

　カナトはそう言うけど、私の答えは違っている。　だって、私たちは今真剣に愛し合ってる。
　例え政略結婚だとしても。