【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「ねぇ、カナト」
「なんだよ?」
カナトがレイヤのことを気に入らないのは、分かっている。
だけどやっぱり、レイヤのことを悪く言われるのは心外だ。
「それ以上レイヤの悪口を言うなら……私、カナトとは縁を切るからね?」
「……はっ? え、何言ってんだよ?」
困惑を見せるカナトに、私は「私、本気だからね。それ以上レイヤのことを、夫のことを悪く言うなら……私、カナトとは縁を切るよ。姉弟としての縁を切るし、家族としても縁を切るからね?」と告げた。
「おいおい……。それ本気か?」
「本気だよ。私はレイヤのこと愛してるの。 だから、レイヤのことを悪く言うのはやめて」
レイヤのことを一番分かっているのは、カナトじゃなくて私だから。
私だけは、レイヤのことを信じたい。 ううん、信じてあげたいの。
もし本当に想い人がいるとしても、私のことを見てくれてるなら、それでいいって思ってる。
私たちまだ、結婚して二年だよ? 夫婦としてこれからだし、これから先もっと色んなことがあると思う。
その度に離婚だとか、そんなこと言い合いたくない。 今が幸せなら、それでいいなんて思ってる。
私って……やっぱりカナトの言うように甘いのかな?