【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


「ごめん、私……あなたの日記を見てしまったの」

「っ……!!」

 私がこの事実を知った時、私は驚いて思わず日記を落としてしまったのを覚えている。
 それと同時に、カナトがずっと日記を付けていたことも、その時初めて知った。

「ごめん、見るつもりはなかったの。……でも、見えてしまったの」

 そこには、カナトの私への本当の気持ちが書き綴られていたんだ。誰にも言えない、誰にも相談出来ない内容が。
 私はそれを知ってしまった。 そしてカナトの想いを、初めて実感してしまった。

「……そっか、見たのか」

 そう呟くカナトに、私は「本当に……ごめん」と伝えた。

「……俺の気持ちを知って、引いたのか?」

「え……?」
 
 カナトは私にそう告げると、もう一度私に「答えてくれよ。引いたのか?」と聞いてくる。

「……そんなことは」

 それを知って最初はびっくりした。でも……引いたりは正直しなかった。

「本当にか?」

「……うん。もちろん、びっくりはしたけどね」

 カナトは「そっか」と呟くと、水を勢いよく飲み始める。

「そうだ、俺は姉ちゃんのことが好きだ。 だから、アイツのことが気に入らないんだよ」

「カナト……」
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