【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。


 カナトは私のことが好きだと、今ハッキリと宣言した。
 
「アイツにだけは、姉ちゃんのこと渡したくないって思ってた、ずっと」

 私は何も言えなくなってしまった。

「アイツには、姉ちゃんのこと幸せにする資格なんてない」

「……カナト」

 カナトの想いが、本物だって気付いた。

「俺は姉ちゃんのこと、家族としても好きだ。 でも、女性としても好きなんだよ。……もちろん分かってる、それがイケないことだって。充分理解してるつもりだ。だけど、アイツのせいで姉ちゃんが苦しむ姿とか、泣いてる姿を見るのが俺は辛いんだよ……」

 私はカナトになんて言ってあげればいいのか、分からないままだった。

「だから、姉ちゃんからアイツをどうしても引き離したかった。 姉ちゃんを傷付けるアイツが許せなかったんだよ。 姉ちゃん一人をまともに愛せないなら、離婚したほうが絶対にいいって思ってた」

「私は……」

 その言葉の続きを、カナトは私に言わせないように言葉を続けた。

「俺……アイツから姉ちゃんとの子供を作ると宣言された時、本当に腹が立った。姉ちゃんのことまともに幸せに出来ないくせに、無責任なことを言うなって思って、殴りたくなったよ。正直に言うと」
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