【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
「そんなことない。アイツだってそれは、分かってるはずだ」
「……だといいけど」
優しいレイヤは、私に「気にするな。アイツなら、大丈夫さ」と言ってくれる。
「でも俺は……正直アユリを奪われそうで、怖かった」
「え……?」
「アユリがアイツに奪われそうで、ヒヤヒヤしたし、本当に怖いと思ったよ。カナトの存在が、一番怖いと思った」
レイヤは私にそう言うと、私の肩に顔を埋める。
「カナトは本気でお前を愛していたんだなって分っていたから、俺はどうしようもないくらい、不安だった」
「……そっか。不安だったんだね」
レイヤもちょっと、強がっていたんだ。
「ごめん、情けないな……俺」
「そんなことないよ。……私も、ずっと不安だったから」
「え……?」
私はレイヤの手を握ると、レイヤに語りかけるように「私も、レイヤがどっかに行ってしまうような気がして怖かったの……ずっと」と話した。
「レイヤが私を本当に愛してくれているのか分からなくて、不安だったんだよ。……レイヤが私から離れていきそうで怖くて、それでずっと不安だったんだから」
「……ごめん、アユリ。 ごめん」
「私……レイヤのこと愛してるから、これからもずっと」
やっぱり私は……。