ウィザードゲーム 〜異能力バトルロワイヤル〜
自室へ上がると、小春はスマホを取り出し、メッセージアプリを立ち上げた。
和泉とのトーク画面を開き、指先で文字を打ち込んでいく。
【家に帰ってないって聞いたよ。何かあったの?】
お節介かもしれないが、和泉を案じているのは事実だった。何事もなければ良いが────。
夕飯と入浴を済ませると二十一時を回った。
和泉にメッセージを送信したきりになっていたスマホを手に取る。
「……あ」
“新着メッセージがあります”と、通知が来ていた。今から約二時間前だ。
和泉からかもしれない。
ほとんど反射のように通知をタップし、メッセージアプリを開く。
「え、何……?」
予想に反し、表示されたのは意味不明なメッセージだった。
【来る12月4日、あなたたち2年B組の生徒は全員死にます。
殺されたくなければ、魔術師を捜し出して皆殺しにすること。
魔術師の中であなたが唯一の生存者になったら、見逃してあげる。
力を得たくば何かを捨てよ。
時には“運”があなたの生死を分けるもの…結果が悪くても、そのときは諦めるべし!
そんじゃ、健闘を祈ってるよ〜。
※本ゲームのプレイに拒否権はありません。
※如何なる場合においても魔法の譲渡は不可となります。
※魔術師以外を殺害した場合、ペナルティが与えられます。】