もうごめん、なんて言わないで
「本当は告白してくれたとき、死ぬほど嬉しくかったんだ。俺も好きだって言いたかったし、むしろ俺から言いたかった」
ずっと一方通行だと思っていた気持ちが本当は通じ合っていたのだと知る。
悔しそうに顔を歪める俊介の表情に胸が締め付けられた。
「だからラスベガスでのことも勢いなんかじゃない。あの頃から気持ちは変わってなかった」
まっすぐな瞳に吸い込まれそうになる。
しかしすんなりと彼の言葉を信じていいのか、自分でも半信半疑だった。
「でも、私を置いていなくなった」
小さく声を絞り出すと、俊介はばつが悪そうに顔を歪める。
膝に置いていた手を力がこもったのが分かった。
「多分俺が今なにを言ってもただの言い訳にしか聞こえないと思う。だけど、これだけは信じて」
視線がバチッとぶつかった。
「ひとりにしたこと後悔してる」
彼の顔がスローモーションになって近づいてきて、思わずぐっと身構えた。
「いい?」
唇が重なる直前、囁く彼の声にどきっとする。
長いまつ毛の色っぽい瞳がすぐそこにあり、無性に恥ずかしくなった。
「聞かないでよ」
顔を背けようとしたが、先に柔らかい感触にとらえられる。
何度も重なるように降ってきた。