病気と仲良し(仮)

外の世界へ

そうして、家出をしてある人のところにお世話になった。
就職先も紹介してもらい、病院で働く事になった。

その時に何故か、心配してくれたおじに連絡してみようも思った。
実の母の親戚、祖父の従兄弟のおじさんだ。
叔父でも伯父でもない。
家出した来たことを告げると
「お前を小さい時から、こっちで育てれば良かったよ。失敗したなと思ったんだ。」
と言われた。
あとで詳しく聞くと、なんと母の法事の時にきちんと会話をしたわけでもないのに、私の姿を見てショックだったらしい。
きちんと育てられてない事に気がついたらしい。
その後、実家の親を呼んで話し合いし、家に帰らなくても良い許可を貰えた。
私にとっては、道が開けた気がした。

もうおじさんは亡くなってしまったけれど、あの時は本当にありがとう、おじさん。
あの時があったから、今私は自然体で生きてられるんだよって声を大きくして感謝したい。

それから、アパートも決めて知らない世界へ飛び込んだ。
病院での勤務。

よくよく考えてみると、高校のとき進学は許される立場ではなかったが、医療系の仕事したかったということを思い出した。
実の母に、新しい道を与えられたのかもしれない。

病院での仕事は慣れないことも多かった。
覚えることも多くて大変だったが、それよりも自然体で過ごせることの幸せを感じていた。
ご飯の用意をするのは、人生で初めてだったがなんとかなるもの。
適当に作って食べたら美味しかったり。
料理は何となく作れた。
お風呂も毎日入れたから、私としては嬉しいことばかりだった。

そんな毎日だったが、胸の苦しさや自転車で走っている時に、突然意識をなくす事があった。
気がつくと、転んでいた。
自分では転ぶ瞬間を覚えていない。
目の前が白くなる世界を何度となく経験した。
その白くなる時に、意識を一時的に無くしていたんだと思う。
そして、気がつくと怪我をしているという状況。

さすがに何度も同じことを繰り返すと、自分の体のことが心配になる。
近くの病院へ行ってみる事にした。
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