お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




その子は十波 七兎(となみ ななと)くんという名前で、私より1歳年下の男の子。


今年から高校生、今まではお母さんからの話でしか聞いていなかったけれど、ちょっとだけ物静かな男の子みたいで。

だとしても私がリードして接してあげれば仲良くなれるだろうと、自信だけはあった。



「やあ、待っていたよ。ようこそ十波家へ」


「こ、こんにちはっ!今日からよろしくお願い致します…!」


「はは、ゆらちゃん。今日からここは君の家でもあるんだからリラックスしてくれていいからね」


「あ、ありがとうございます…」



足を踏み入れていちばん最初に目に入ったものが吹き抜けの窓…だと。

リビングへ繋がる廊下さえも6人は横に並んで歩けそうだ。



「さあ上がって。とりあえずは家のなかを案内するよ」



え、待って……、
あれって螺旋(らせん)階段じゃない…?

くるくるしてるよね…?絶対そうだよね…?


くるくるしていると言えば、あの高い天井に取り付けられているオシャレすぎるファンライトはなんだろう…。



< 10 / 261 >

この作品をシェア

pagetop