お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
日当たり抜群、清潔感漂う広々とした玄関もリビングも、これ新築じゃないの…?と勘違いしそうになるくらいのお家だった。
「あ、あのっ、七兎くんは…」
1階の説明はひととおり終えて、やっと一息つけたかなというタイミングで、新しいお父さんとなるおじさんに聞いてみた。
どこかに出かけているのかな…?
まだ1度も顔を合わせていないし、おじさんからも七兎くんの様子は言葉に出なかったから気になって。
「ああ、一応は2階にいるんだけどね…」
「えっ、そうだったんですか!」
「ちょっとだけ厄介な人見知りというか、七兎は難しいところがあるんだ」
おじさんは困ったように苦笑いをして、あたまを掻いた。
「ううん、年頃の男の子だもの。それが当たり前よ」
「ははは、そうだといいんだが…」
と、お母さんのフォローにも表情が崩されることはなくて。
「あっ、じゃあ私ちょっと挨拶してきてもいいですか…?」