お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「…雅、もう好きって認めてるようなものだよ。それ」


「……憧れだっつーの」



そこで、ぷつり。

もどかしくてウズウズしていた私のなかの何かが切れた。



「むっ、見苦しいぞ雅っ!!憧れとか言いつつ甲斐田先輩のことが大好きなくせに…!」


「っ、うっさい!!ゆらこそナナちゃんナナちゃんって毎日毎日やかましいんだよ!!」


「あーっ、八つ当たりしてきた…!」


「意味不明なウサギ飼ってんじゃねーよ!!ウチの感覚を狂わせんなっ」


「さ、最近は素直なときもあって可愛いんだから…っ!」


「逆に飼われてるだろお前がっ!!」


「そっ、そんなことないもん……!」



お互いが息切れするほどに言い合って、クラスメイトたちの笑い声が上がった頃。

私たちはそれ以上の笑顔を向けあった。



「ふふっ、あははっ!!なんかスッキリした!」


「ふっ、ウチらアホすぎ。でも逆に気合い入ったかも。ありがとう、ゆら」


「…私こそ」



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