お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
大人同士、親同士にしか分からないことがあるように、連れ子同士で子供の私たちにしか分からないものがある。
やっぱり最初からスムーズにいくとも思っていなくて、このパターンはもちろん予想していた。
だからここは私に任せてもらいたいところがあったり。
「大丈夫よ。私の娘は抜けているところがほとんどだけど、しっかりしてるから」
「お母さんっ、それ嬉しいようで嬉しくないから…!」
そんな母娘の飾らない言い合いを見つめて、肩の力をストンと落としたおじさんは優しくうなずいた。
「じゃあお言葉に甘えてゆらちゃんにお願いしようかな。七兎の部屋は階段を上った突き当たりの部屋だよ。
それから、その隣はゆらちゃんの部屋だから好きに使ってくれていいからね」
「はい!ありがとうございます」
かなりのシャイボーイだったり…?
厄介な人見知りっておじさんは言っていたけれど、きっと慣れれば仲良くなれるはず。