お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
ナナちゃんの笑顔
「いやあ、助かりました!お恥ずかしながら危うく熱中症で死にかけていたところでしたよ…!」
「そ、それはよかったです…」
「あっ、わたくしメンズ雑誌、aria─アリア─編集部の神谷(かみや)と申します!
実はこの度ですね、新企画を再来月号から設立することになりまして…!」
はい、はい。
なるほどメンズ雑誌の編集部さんだったんですね。
それにしてもariaって、中高生で知らない子はいない!なんて言われてる雑誌じゃない…?
それはアイスでも買いに行こうと、ナナちゃんと向かったコンビニ帰りでのことだった。
「とりあえず元気になったんなら帰ってもらっていいですか」
「ちょっとナナちゃん!もっと言い方があるよ…!」
「だってこれ語り出してるし、長くなりそうだし、アイス食いてえんだよ俺は」
ふらふらっとした足取りで家の前を通っては、「どうか水を…、僕にお水をお恵みください…」と苦し紛れの声を出してきたのが、この神谷さんという人。