お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




だって特集って……!

雑誌って、モデルさんって……!!



「まあすごい…!七兎くんは芸能人さん以上に格好いいものね!」


「お母さんっ!モデルさんだって!ナナちゃんが特集されちゃうって…!」


「楽しみね~!」



キッチンから様子を伺っていたお母さんも興奮したように混ざってくる。

キャッキャと友達同士のように盛り上がってしまった。



「悪いですけど俺、そーいうの微塵も興味ないんで」


「やります!!やらせていただきますっ!!ぜひともよろしくお願いいたします…!」


「おい、なに勝手に、」


「あああありがとうございます…!!お嬢さんは十波くんのお姉さまでございますか?」


「ははははい…っ!そうです…!」



初めて他者からそう呼ばれたこと。

ぶわわっと嬉しさと新鮮さが私を取り囲んでは、欲求された握手に同じようにしてぶんぶんと返した。



「違います、俺たちは姉弟なんかじゃないんで。やらないです俺、やりません」



なんて聞こえてくる否定など、まったく耳にも入っていない約2名。



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