お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「かいだ…せんぱい、これは……ふらっと、なったんですか、」


「…俺ってバランス力あるから、体勢崩すこととか滅多にない」


「えっと…じゃあ、…さ、最初から……?」


「そうなるかも、…な?」



ど、ど、ど、どういう……ことだ……?


なに言ってんの、この人は。

わからない、何を言われて何をされてんのか、サッパリわからない。



「お見舞いに来るの遅い。ずっと待ってたし、…会いたかった。……雅」



おい、ゆら。ねえ、ゆら。

なんかウチ、いま、甲斐田先輩に抱きしめられて名前で呼ばれて頭撫でられてんだけど……。



「さっきのマネージャー、彼女じゃ、ないんですか…?」


「ないよ。いつも来てくれるけど、本当はちょっとめんどかったりする」


「え…、先輩ってそういう感情持ってたんですね」


「…もし無かったら、俺は雅に今みたいなことしてないだろ」



今みたいなこと…。

リハビリテーション室で何やってんだ、ウチら。

今は誰もいないからって、誰か来たらどーする。



< 182 / 261 >

この作品をシェア

pagetop