お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「死んでも家族にならない」と言ったのは、ゆらが望んでいる“家族”と、俺が望んでいる“家族”は違うからだ。


俺はゆらのことを家族だなんて思ってない、思いたくない。

だってそうなったら、それ以上には絶対なれないんだと線引きされてしまうだろ。



“ナナちゃんとのコミュニケーションを図るために用意してみました!どんなことでも書いてくれれば、ぜったい返事します!”


“なんと!数学のテストでありえない数字(いい意味で)を叩き出してしまってっ!
ナナちゃんのおかげだよ。本当にありがとう!”


“ナナちゃん、今日のハンバーグにも実はニンジンが入ってたの知ってた?
それね、お母さんと一緒に私が作ったんだ~!無事に作戦は成功しました!敬礼っ!(笑)”



文字だけでここまで情景が浮かぶことって、なかなか無い。

もし誰が書いたとは教えられていなかったとしても、これはあいつが書いた文だと即答することが俺にはできそうだ。



「七兎!なに見てんの?」


「…いや、なんでもない」



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