お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「雅の友達だよね?俺、甲斐田 遥真。気楽に話してくれていいから」


「あっ、城崎 ゆらです…、どうも…」



甲斐田先輩と初めて話してしまった。


とりあえず一件落着ってことで、いいの…?

雅、今の時間だけで甲斐田先輩の屈託のないストレート球を食らいすぎて固まっちゃってるけど。



「ゆら…、むり…、この人いっつもこんな感じなんだよ……、心臓持たないって…」


「悪いな、俺は変化球は投げられないからさ。それは雅がいちばん知ってるだろ?」


「ふふっ、頑張れキャッチャー!これから先も甲斐田先輩と人生という名のキャッチボールをプレイボールっ!なんつって!」


「「は?」」


「えっ……」



でも、よかったね雅。
私も自分のことのように嬉しい。

最初は変化球で向かった雅のボールが、途中でストレートに変わって、まっすぐ甲斐田先輩に届いたんだね、きっと。


これが、変わったひとつ目。


ふたつ目は───…



「きゃーっ!!十波くんがまた来てくれた~!!」


「眼福タイム…っ!!はあ…、やっぱイケメンって世界救うわ…」


「十波くんお昼はもう食べた?よかったらこれ、購買限定のパンなんだけど…あげよっか…?」



< 208 / 261 >

この作品をシェア

pagetop