お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「いいなあ…、私も消しゴム屋さんに生まれたかったーーっ!!」


「そうすればグミもらえたもんね?どんな味なんだろう、十波くんからのグミって…!」



いやだから。
なんかちょっとズレてるの、うん。

でもグミを渡すだけで2年A組まで来ちゃうナナちゃんもナナちゃんだよ…。


そんなにもあの日の私に驚いちゃった……?


もしかして腫れ物みたいな感じ…?

確かに、まさか私があそこまで地震に怖がるなんて意外だったかもしれないけど。



「そろそろいい?今はゆらとウチの昼休みだから」


「……お前、好きなやつ居るくせにゆらを弄(もてあそ)ぶんじゃねーよ」


「は?てか先輩に対して“お前”とか、生意気すぎ。敬語って知ってる?使える?」


「だったら先輩らしいとこ見せてくれませんかね」



バチバチバチと、ここで火花。

必ずナナちゃんはいつも、私と雅のあいだに割って入るかのように立つ。



「ちょ、ちょっと落ち着いてふたりとも…、ウィアーザワールドでいこう…?」


「いや、そろそろ決着つける」


「け、決着…?」



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