お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
キス、させろ……とは…?
駆け引きってこういうものなの…?
こんなにも強引に聞かれるものなの…?
ううん、そこじゃないそこじゃない。
ナナちゃん待って。
なに、言ってるの───…?
「じゃあひとつ目、丸井センパイと遊んでたけど俺を優先させた?」
「えっ、ちょっと待って…!?」
「いいから答えて」
まず質問はぜんぶで何個あるかも分からないし、もしぜんぶが“うん”だったときを想像したら……。
本当に彼はそんなことをするつもりなのかと、私は半信半疑だった。
でも、これは答えないともっとヤバくなりそうな空気感なので。
「う、うん…」
「ふたつ目。深島中学の場所が分かんなかったけど、スマホで調べる時間すら惜しいと思って標識だけを頼りに探した?
あ、でもゆらのことだから生徒らしき人物に聞いたか」
ここまで的確に推測されることってある…?
ナナちゃん、その才能はどこで身につけたものなの?
それくらい私って分かりやすいのかな…。
「…うん」
「これで最後。…途中で転んだけど、そんなのお構い無しに走っただろ」