お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
なんていうかこういうタイプの人って、女の子の気持ちも男の子の気持ちも分かってくれそうなイメージがある。
「あのっ、丸井さん…!」
「ん?あ、雅でいいって」
「み、雅っ!あのねっ、ちょっと相談があるんだけど…」
「相談?…んじゃあ、ちょっと移動するか」
ほらほらほら、これですよ。
“相談”って言葉を出しただけで場所を変えてくれるって、どれだけスマートなの…!!
モテる。
確信だ、この人はぜったいにモテる。
ということはウサギにもモテるということで、いいアドバイスがもらえるんじゃないかと。
「んで、どした?」
連れてこられた屋上。
催眠術でもかけられたように、私は跳ねる足取りでついてきた。
「あのっ、ウサギの飼い慣らし方とかって知ってたり…する…?」
「は?ウサギ?」
「女の飼い慣らし方はマスターしてると思うのでっ、ぜひその流れで教えてもらいたくて…!」
「おい、どんな流れだ。言っとくけどウチ女だぞ」
「うんっ!だからっ、───………え?」