お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
よしよし、着火材はあるみたい。
この爆弾に火をつけよう。
ゆっくりだ、ゆっくりだぞ。
カチッ、シュッ、
どんどん迫ってきてからの……
「えぇぇええええーーーーっ!!?!?」
ドガーーーン!!と。
屋上からの叫び声は、やまびこさんとなって自分に返ってきた。
「へっ!?えっ、うそっ、ほんとに!?えええっ!!」
「ははっ、まあ、よく間違えられるし女子にも告られる」
「だよね!?だってスカート履いてないからっ」
「あー、無くしちゃってさ。普段はジャージだし、こういうときしか制服着ないのに買うとか勿体ないだろ」
慣れたように説明してくれる雅は、こんなことも数えきれないくらいあるんだろう。
「く、口調とか…!」
「兄ふたりいる末っ子なんだ。だからなんつーか、癖みたいなもんだよ。もはやこれがウチって感じ。
それにソフトボール部でキャプテン任されてるから、威厳も保ちたいし」