お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




彼女はそんな自分が自分らしいと思って誇りを持って生きているんだと。

かっこいい……。
なにもかもが美しくてイケメンだ…。



「で、ウサギだっけ?名前なんての?」


「あっ、えっと、ナナちゃんっていって…」



ここまできたら通すしかない。

ナナちゃん、それはさっき女の子たちが騒いでいた新入生のイケメンくんのことだ。



「ナナちゃんか。メス?」


「ううん、男の子なんだ」


「わりと可愛い名前つけてんだね。いいじゃん。でもウチ、動物とかはそこまで詳しくないけど」



うん、でもなんか雅は違うところで力になってくれそうかも。

たとえば……イケメン耐性が付けられる、とか。

もちろん雅は女の子だけど、言っちゃえばクラスイチのイケメンでしたので。



「けど、相談ならいつでも乗る。ゆら、スマホ出して」



どちらからともなくメッセージアプリを開いて、30秒もしないうちに追加された新しい名前。

これが私と雅の、ちょっと変わった出会い。



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