お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。




「ねえ雅…、なんかね、雅に名前呼ばれるとドキッとする」


「ははっ、なんだそれ。…ゆら?ゆーら、ゆらちゃん?」


「もう3回っ」


「欲張りすぎだろ」


「えーっ」



何はともあれ新しい学校ではうまくやれそうだ。


この言い方すると絶対に怒られるから本人の前では言えないけれど…。

お姉ちゃんとしても、ここは共学だから尚更ナナちゃんのことがやっぱり心配。



「てか、そんな慣れないの?飼い始めたウサギは」


「うん。女嫌いなの」


「……は?まじ?そーいうのあんの?」


「…あるっぽい。だってサンドバッグにすらしてくれなかったもん。
それどころか、私と一緒にご飯たべるのも嫌だって言われちゃって」


「……ツッコミどころ多すぎじゃね?」



彼のことだから男子校を受験していると思っていたのに、まさか同じ高校だとは。

もちろん本人は男子校へ行きたかったらしいのだけど、いくつかの問題点があったみたいで。



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