お姉ちゃんになった私は、毒舌クール義弟を手懐けたいので。
「てか、そろそろナナちゃんの写真見せろって。ニンジン嫌いで女嫌い、絶望的に慣れなくて、怒らせると埋めてくる。
どんなウサギなのか気になりすぎて頭のなかでサイボーグウサギが完成してんだけど、こっちは」
「あっ、そ、それが結構すばしっこくて…!まだ1枚も撮れてなくてですね…」
「……ウサギってそんな速いイメージないけどな」
「ぴょんぴょんぴょんぴょんとっ!思ってたより大変なのウサギは…!」
「ふーん」
だってびっくりするよね?
いやびっくりとか、そのレベルじゃなくなるよねきっと。
私が飼い始めたばかりの“ナナちゃん”というウサギの正体が───、
まさかまさかの、先ほどドアの前を通ったクール王子だなんて言ったとしたら。
そんなクール王子が、今年から転校してきたばかりでもある私の“おとうと”だなんて知ったら。
さすがに最京高等学校に通う女の子であれば全員が腰抜かす案件だよねえ……?