溺愛執事と極上生活
主従
明朝━━━━━━

スマホのアラームが鳴る前に、パチッも目を覚ます毅登。
ムクッと起き上がって、スマホのアラームを解除した。

部屋備え付けのシャワー室で、シャワーを浴びる。
鏡に映る自身を見て、微笑んだ。

夢じゃない。
俺は、風葉様の執事になれたんだ。

左耳のピアスに触れる。

「よし!」
気合いを入れ、シャワー室を出た。


部屋を出て、使用人室に向かう。

「おはようございます!」
元気よく挨拶をする。

「おはよう」
「おはよう~」
美間を始め、芥田神の使用人達(執事、メイド、シェフ達)が挨拶してくる。

そして情報共有を行う。

「━━━━━では。今日も一日、よろしくお願いします。
あと、名高!他のみんなも」

「はい!」

「風葉様だが…」
「はい」

「あの方は“元”一般階級の方だと言うことを忘れないように………!」

「え?それってどうゆう━━━━━」

そこに、使用人室をノックされる音が響いた。

「え?誰だ?」

今、使用人達は全員、部屋にいる。
後この屋敷には、喜一郎と風葉だけ。

「すみませーん!風葉でーす!」

「え?風葉様!?」
「お嬢様!?」
「え?え?なんで!?」

使用人達は、かなり驚愕し動揺している。
主人が、自ら使用人室に来るなんてあり得ないことだからだ。

そこへ、美間が一人だけ冷静にドアに向かう。

「はい、風葉様。どうされました?」
微笑みドアを開けた。

「おはようございます、美間さん!」
「おはようございます。
風葉様、ここは使用人達の部屋です。
何かありましたら、名高か私に電話をくださればすぐに参りますよ?」

「あ、でも、今は皆さんで会議中ですよね?
そんな時にお電話するのは、失礼かなと思って!
だいたい会議が終わるくらいに、私が来た方が早いと思って!」

「さようですか。
お気遣い、まことにありがとうございます!」
「あ、でも…やっぱり、ご迷惑でしたかね……
ごめんなさい!」

「いいえ!大丈夫ですよ!
せっかくなので、ここで要件を伺っても?」
「あ、はい!
名高さんは、いますか?
あと、笹田(ささだ)さんと、中道(なかみち)さんにも」

微笑んだ美間は、毅登、メイドの笹田、シェフの中道を呼び出した。
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