溺愛執事と極上生活
毬音は、転校してきて不安でいっぱいだった風葉をいつも気にかけてくれた友人だ。

すぐに意気投合し、仲良くなった。
そんな毬音が、風葉に相談をしていたのだ。

毬音と敷波はお互いに想い合っていて、毬音は卒業後籍を入れたいと思っていた。

が、しかし━━━━
星鈴川学園の主人と執事が、高等部卒業後に結婚することは珍しくないのだが、敷波はかなり恐縮していてなかなか決心してくれなかったのだ。

その事で涙を流す毬音を、風葉はいつも慰めていた。

「おめでとう!毬音さん!
本当に、おめでとう!」
自分のことのように喜び、目を潤ませる風葉。

毬音もつられるように、目を潤ませた。
「ありがとう!風葉さん!」

「どうしよう。
感動して、食事が喉を通らないよ…(笑)」
「フフ…もう(笑)風葉さんったら!」

「あ!敷波さんにも、お祝いを伝えてもいいかな?」
「え?えぇ!」
毬音が敷波を呼ぶ。

敷波と毅登が、東屋に来た。

「毬音様、お呼びですか?」
「えぇ。風葉さんが、お祝いをお伝えしたいって」

風葉は立ち上がり、敷波を見上げた。
「ご婚約、おめでとうございます!
まだ、毬音さんと知り合って二ヶ月くらいの私がこんなこと、おかしいですが………
毬音さんのこと、よろしくお願いします!」

風葉の言葉に、敷波は目を見開く。
まさか、こんなことを言われるとは思ってないからだ。
「はい。芥田神様をガッカリさせないように、毬音様を幸せにします!
僕のような者にまで、ありがとうございます!」
敷波は、微笑み言ったのだった。


それから、教室に移動した四人。

「では、風葉様。
行ってらっしゃいませ!
何かありましたら、遠慮せず、いつでも連絡ください。
すぐに、駆けつけます!」
風葉の手を取り、微笑んだ毅登。

敷波も、毬音に「行ってらっしゃいませ!毬音様」と頭を下げた。


しかし、なかなか教室に入ろうとしない風葉。
「風葉さん、行きましょ?
……………フフ…もしかして、離れたくない?(笑)」

「あ、いや…/////」

「風葉様。もし良ければ、一時間目が終わり次第、会いに参りましょうか?」


「あ、ち、違うんです!
名高さんをお見送りしたいなと思って……」


「「「━━━━え?」」」

毅登、毬音、敷波は思わずフリーズしていた。
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