溺愛執事と極上生活
「芥田神様?ですよね?
どうされました?」
「あ……」
「あ!突然、話しかけて申し訳ありません!」
“気安く、話しかけてはいけない”
頭をよぎるが、きっと風葉が迷っていたからだろう。
声をかけてきてくれたのだ。
「いえ!あの、名高さんはいますか?」
「名高さんに会いに?」
「はい」
「だったら、お電話をすれば…」
「え?あ、そう…ですよね……
ごめんなさい…」
風葉の瞳が、切なく揺れた。
そんなことはわかっている。
ただ風葉には、気安く“持ってきて”なんて言えない。
元々からお人好しな、風葉。
人に頼み事自体、気が引けるのだ。
「あ、いえ!
そ、そんなつもりで言ったわけでは……!
こちらこそ、申し訳ありません!!」
項垂れるように頭を下げる風葉に、執事は慌てて深く頭を下げる。
そこに毅登が駆けつけてくる。
「風葉様!!」
「あ…名高さ……」
風葉は顔を上げようとして、しかしすぐ俯いた。
顔を上げると、涙が溢れそうになるからだ。
「どう…されました?」
風葉の手を握り、顔を覗き込む。
「ランチバッグの中に小説を入れたままにしてて。
それを取りに来ました…」
泣き顔を見られないように、俯いたまま呟くように言った風葉。
「さようですか。
では、教室に持っていきます。
なので、風葉様は教室で━━━━━━」
「あの!!」
バッと顔を上げる、風葉。
「え……風葉…さ、ま?」
涙が溢れ、頬を伝う。
その風葉の様子に、毅登を始め、執事達が騒然となる。
でももう、それでもいい。
「私には無理です!」
「え?」
「名高さんを呼びつけて、気安く“持ってきて”なんて言えません!
お弁当も一緒に座って食べたいし、お見送りたいし、相手が執事さんでも、執事さんの為にできることは何でもしたいです!
主従関係は、わかってます。
でも…できる限り………できる限りでいいんです。
名高さんと近づきたいです!」
「…………風葉様」
「は、はい」
「今、貴女に触れてもいいですか?」
「え?え?」
「まずは、貴女に触れたい……!」
「え?あ、は、はい。
えーと……ど、どうすれば━━━━━━━」
手を繋ぎたいと言うことだろうか。
そう思い、手を差し出す。
すると毅登が風葉の手を引き、抱き寄せた。
そのまま、抱き締める。
「風葉様…」
「は、はい/////」
「貴女がそう望むなら、できる限りそうさせていただきますね!」
「名高さん…
……………はい…/////」
風葉も、毅登の背中にゆっくり腕を回した。
どうされました?」
「あ……」
「あ!突然、話しかけて申し訳ありません!」
“気安く、話しかけてはいけない”
頭をよぎるが、きっと風葉が迷っていたからだろう。
声をかけてきてくれたのだ。
「いえ!あの、名高さんはいますか?」
「名高さんに会いに?」
「はい」
「だったら、お電話をすれば…」
「え?あ、そう…ですよね……
ごめんなさい…」
風葉の瞳が、切なく揺れた。
そんなことはわかっている。
ただ風葉には、気安く“持ってきて”なんて言えない。
元々からお人好しな、風葉。
人に頼み事自体、気が引けるのだ。
「あ、いえ!
そ、そんなつもりで言ったわけでは……!
こちらこそ、申し訳ありません!!」
項垂れるように頭を下げる風葉に、執事は慌てて深く頭を下げる。
そこに毅登が駆けつけてくる。
「風葉様!!」
「あ…名高さ……」
風葉は顔を上げようとして、しかしすぐ俯いた。
顔を上げると、涙が溢れそうになるからだ。
「どう…されました?」
風葉の手を握り、顔を覗き込む。
「ランチバッグの中に小説を入れたままにしてて。
それを取りに来ました…」
泣き顔を見られないように、俯いたまま呟くように言った風葉。
「さようですか。
では、教室に持っていきます。
なので、風葉様は教室で━━━━━━」
「あの!!」
バッと顔を上げる、風葉。
「え……風葉…さ、ま?」
涙が溢れ、頬を伝う。
その風葉の様子に、毅登を始め、執事達が騒然となる。
でももう、それでもいい。
「私には無理です!」
「え?」
「名高さんを呼びつけて、気安く“持ってきて”なんて言えません!
お弁当も一緒に座って食べたいし、お見送りたいし、相手が執事さんでも、執事さんの為にできることは何でもしたいです!
主従関係は、わかってます。
でも…できる限り………できる限りでいいんです。
名高さんと近づきたいです!」
「…………風葉様」
「は、はい」
「今、貴女に触れてもいいですか?」
「え?え?」
「まずは、貴女に触れたい……!」
「え?あ、は、はい。
えーと……ど、どうすれば━━━━━━━」
手を繋ぎたいと言うことだろうか。
そう思い、手を差し出す。
すると毅登が風葉の手を引き、抱き寄せた。
そのまま、抱き締める。
「風葉様…」
「は、はい/////」
「貴女がそう望むなら、できる限りそうさせていただきますね!」
「名高さん…
……………はい…/////」
風葉も、毅登の背中にゆっくり腕を回した。