こじれた俺の愛し方
 今でも去来する、ナツと同じグループだというアイツの言葉。

『何?この人、青沢さんの彼氏?うわ、怖っ!』
『そんなに取られるって心配するなら、あんたがいつも送っていれば良かったんじゃないの?…青沢さん、悪いこと言わないからそんな奴やめておきなよ…』

 俺は気遣いもできない、愛想もない。

 なぜ他人からもあんな印象しかない俺のそばに、ナツはいてくれるのだろう?

 理由が分からなければ、俺はナツを閉じ込めておくしかなくなってしまう。

 俺の顔はそれほど悪くないらしいため一時期は誰かしら寄ってくるが、すぐに俺のもとから去っていく。
 だから惨めさのあまり余計、人を寄せつけないようにしていた。

 俺は今までずっとそうしていたのに。

 ナツは楽しいのだろうか?
 ろくに笑わない、暗い、身勝手でネガティブな自分なんかといて…
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