こじれた俺の愛し方

後悔

 いつの間にか夜が明けた。

 頭の中は、昨晩ナツにしでかした自分の過ちのことばかり。

 仕事に行く気もしない。
 もう二度とナツに会えないかもしれないことが、自業自得であるはずの自分を苦しめる。

 ナツに逃げられたくなかったはずなのに…

 せっかくナツを腕に収めたのに、心地よさも感じていられなかった。

 俺はずっとナツに会いたかったはず。
 そのために一ヶ月ほども会うために探し回り、そしてやっと会えたはず。
 それなのに俺は強引に自分の家に連れ込み、そして何も聞かずに追い出してしまった。

 なぜ俺はナツに尋ねなかったのか。
 『なぜ最近は連絡も取れず、会うことも出来なかったのか』と、たったそれだけのことを…


 結局その日は食事に全く手を付けられずに仕事を休み、次の日はまだ重い体を引きずりながら何とか仕事に向かった。

 ナツに会いたい。

 追い出したのもナツの顔を見たくなくなったわけではなく、自分の中に起こり得る衝動を抑えたかったから。

 しかしもう二度と、ナツは自分に会いたがることはないだろう…
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